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MOSSVAULT / LANDSCAPE
植物標本と庭の平面図

LANDSCAPE DESIGN / TOKYO

庭は、完成してから変わりはじめる。

土、光、季節、人の手。時間とともに育つ風景を設計します。

SCROLL

TEN YEARS FROM TODAY

植えた日が、いちばん小さい。

図面は完成予想図ではありません。三年後、十年後にどう見えているかを先に決めてから、今日植えるものを選びます。

植栽工事を終えた直後の庭。幹を縄で束ねた細い株立ちの樹が立ち、下草はまだ離れて植わっている
植えた日工事を終えた日の一枚です。この状態から、下の十年がはじまります。
同じ庭の数年後。樹冠が広がり、下草がつながって土が見えなくなっている
数年後同じ場所、同じ角度です。下草がつながって土が見えなくなり、枝は縁側まで届きました。
  1. 0年

    植えた日

    幹は指ほどの太さ。地面はまだ土の色が見えています。

  2. 1年

    下草が閉じる

    足元の草が広がり、土が見えなくなります。水やりの回数が減ります。

  3. 3年

    木陰ができる

    枝が横に張り、窓の位置に緑が来ます。ここから剪定が仕事になります。

  4. 10年

    風景になる

    建物より樹が先に目に入ります。設計したのは、この日の見え方です。

THREE GARDENS

同じ設計図は、二度と使わない。

敷地の日照と、水の通り道が違えば、置く樹も、あえて置かない場所も変わります。三つとも、隣にあった庭とは似ていません。

路地に面した半日陰の小さな庭
01

路地の庭

7.5㎡ / 半日陰 / 在来種11種

集合住宅の共有中庭と雨水の水路
02

みんなの中庭

140㎡ / 雨水利用 / 四季の実

仕事場の窓辺に育つ樹木と下草
03

働く森

屋内外 / 香り / 鳥が来る樹木

PLANT LEDGER

中庭に植えた、草木の記録。

02「みんなの中庭」の図面には、高木から下草・グラウンドカバーまで36種を書き込みました。下の札は、その季節の見どころです(春と秋は、そのうち見どころが来る種の数)。選ぶと、記録が灯ります。

植える前の下草の苗6鉢と、文字を書いていない白木の名札を台の上に並べたところ
植える前の苗届いた苗は、いちど台の上に全部並べます。日陰に入る株から先に土へ入れるので、植える順番はここで決まります。

FOUR SEASONS / 季節を選ぶ

ヤマボウシ

Cornus kousa

高木 / 5m / 半日陰〜日向

アオダモ

Fraxinus lanuginosa

高木 / 4m / 日向

ヒメシャラ

Stewartia monadelpha

中木 / 3m / 半日陰

ヤブラン

Liriope muscari

下草 / 0.3m / 日陰に強い

ベニシダ

Dryopteris erythrosora

下草 / 0.5m / 日陰

ススキ

Miscanthus sinensis

草 / 1.5m / 日向

ここに並べたのは、36種のうち骨格になる6種です。残りは下草とグラウンドカバーで、図面と一緒に一覧をお渡しします。

HOW WE GROW

三年後の姿から、今日を描く。

図面を引く前に、一季節ぶんの観察をいただきます。そこで分かることは、カタログのどこにも書いてありません。

トレーシングペーパーに鉛筆で描いた庭の平面図と、鉛筆と三角スケールを置いた仕事机
観察から図面へ一季節ぶんの記録を、樹の位置と園路の線に置き換えます。
  1. 01

    READ

    日照、風、土壌、水の通り道を、一季節かけて観察します。

    3〜4か月
  2. 02

    PLANT

    骨格になる木を先に据え、変化をつくる草花をあとから重ねます。

    2〜6週
  3. 03

    CARE

    剪定と植え替えで、暮らしの変化に合わせて庭を育てます。

    毎月

RAIN GOES DOWN

雨は、敷地の中で還す。

降った雨を側溝へ流してしまうと、土は乾き、樹は根を張れません。断面図で決めているのは、水がどこへ行くかです。

雨が上がった直後の雨庭。くぼ地の砕石に水がたまり、まわりをシダや細葉の草が囲んでいる
雨上がりの雨庭上の断面図でいちばん左にある、くぼ地です。雨がやんだあと、水はここに数時間だけ残り、そのあいだに地面の下へ入っていきます。
雨庭
断面図のいちばん左。くぼ地に一度ためて、ゆっくり地面へ入れます。
浸透トレンチ
くぼ地の右どなり。砕石の層で敷地の下を横につなぎ、根へ水を配ります。
越流桝
トレンチの右どなり。大雨のときだけ、あふれた分を道路側へ逃がします。

TWELVE MONTHS

引き渡してから、毎月ここへ来ます。

庭は作品ではなく、続いていく場所です。年間の手入れは一年ぶんの計画にして、引き渡しの日にお渡しします。

下の棒の高さは、その月に庭へ入る手入れの作業量です(いちばん多い8月を100とした割合)。棒が高い月が、下に挙げた四つの作業をする月です。

冬に剪定をしている手元。葉を落とした株立ちの枝を剪定ばさみで切ろうとしている
いちばん寒い二か月葉が落ちて骨格が見えるあいだに、来年どこから枝を出させるかを決めます。下の四つのうち、この二か月にしかできない仕事です。
  • 冬期剪定1〜2月 / 葉が落ちて骨格が見える時期に、樹形を決めます。
  • 施肥と株分け3〜5月 / 芽が動く前に肥料を入れ、増えた下草を分けます。
  • 夏の潅水7〜8月 / 植えて二年目までは、土の乾きを見て水を足します。
  • 落ち葉の還元11〜12月 / 集めた葉は捨てずに、敷地の中で土へ戻します。

SCALE & BUDGET

はじめる前に、規模の見当を。

面積よりも、日照と水はけで工事の量が変わります。下に置いたのは、よくご依頼いただく規模の目安です。

小さな庭

5〜15㎡

45万円〜

  • 玄関まわり・坪庭・路地
  • 高木1本と下草8〜12種
  • 設計から引き渡しまで約2か月

集合の中庭

60〜200㎡

180万円〜

  • 共有部・雨水利用・通り抜け
  • 高木5〜9本と季節の実つき
  • 管理組合との打合せを含みます

屋上・テラス

10〜40㎡

90万円〜

  • 荷重と風を先に確かめます
  • 軽量土と自動潅水が前提です
  • 防水層の保証内容に合わせます

設計料は工事費の10%、現地調査と最初のご相談は無料です。金額は樹の仕入れ時期で動くため、図面と同時にお出しします。

YOUR PLACE, OUR FIRST VISIT

場所を見ながら、庭の話をしましょう。

図面もイメージ写真も、まだ要りません。立ってみて、風の抜ける向きと、光の入る時間を一緒に確かめるところからです。

  • 日照
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庭になる予定の場所にしゃがんで土を見る造園家と依頼主